オンラインゲームに潜む脅威を防ぐためのセキュリティ対策

子供だけでなく、最近では大人も楽しむことができるオンラインゲーム。近年はスマホの普及によって、老若男女問わず様々なユーザーが休みの日や通勤時など空いた時間にオンラインゲームを楽しんでいる姿をよく目にします。しかし、オンラインゲーム中は常にインターネットに接続されており、サイバー犯罪者達はゲーム中のユーザーの隙を狙って個人情報を盗むために様々な攻撃を仕掛けてきます。今回は、オンラインゲームに潜む罠の見分け方について紹介します。

世界的なオンラインゲーム人気

オンラインゲームは、インターネットを活用してパソコンやゲーム機と繋いで行なうゲームで、古いものでは1990年代から存在しています。オンラインゲームが登場するまでは、ゲーム中の主な対戦相手は近所の友達がメインでしたが、現在ではオンライン上で世界中のユーザーと交流しながらゲームを楽しむことが可能になりました。2010年代に入ってからはスマホが普及したこともあり、スマホを通して楽しむスマホゲーム(またはモバイルゲーム)が一気に浸透しました。主にゲーム内でアイテムを購入できる課金ゲームが多いのが特徴といえます。

コンピューターゲームというと、アクション、RPG、パズル、テーブルゲーム、シューティングなど様々なジャンルがありますが、オンラインゲームの種類は大きく分けてMORPG(またはMMORPG)とMMOFPSの2種類が人気です。MORPGは、Multiplayer Onlineの略称で多人数参加型のオンラインゲームで、同様にMMO(Massively Multiplayer Online)も大規模多人数参加型オンラインのゲームといえ、ゲーム内にいる他のプレイヤーとコミュニケーションをとりながら協力して強い敵を倒しながら進めていくスタイルのゲームです。一方、MMOFPSは「First Person Shooter」の略称で、目の前の敵を一人で倒していくようなシューティングゲームで、そのアクション性の高さから短時間でスリル感を味わいながら楽しめるのが特徴です。その他にもオンラインカジノをはじめ、最近ではeスポーツも人気が高まっています。

これまで世の中でオンラインゲームの中でも特に大人気だったのがリーグ・オブ・レジェンドで、なんと全世界で一億人以上がプレイしていると言われています。その他にもその人気の高さから10〜20年以上も発売し続けている長寿ゲームも存在します。

スマホで行なうオンラインゲーム狙ったサイバー犯罪

しかしながら最近、スマホでオンラインゲームを行なうことが問題となっています。スマホには、ゲームアプリをはじめ、SNS、オンラインバンキング、サブスクリプション契約している音楽や動画試聴アプリ、家族や友人とやりとりをするLINEなどのメッセージアプリなど様々なアプリが入っており、スマホ一つで全てのことができる非常に利便性の良さがスマホ最大の魅力といえます。ただ、危険なのはこの使用しているアプリのうち、どれか1つのログイン情報や個人情報がサイバー犯罪者をはじめとする第三者の手に渡ってしまった場合、他のアプリも次々と乗っ取られて、最終的には金銭的な被害や個人情報を悪用されてしまう可能性があるのです。

なかでも多くの日本人が使用しているソーシャルゲームは格好のターゲットとなりやすいです。日本ではスマホの登場以来、多くのユーザーがスマホ内のアプリを通していつでもどこでも気軽に楽しむことができる通称「ソシャゲ」と呼ばれるソーシャルゲームが人気。ソシャゲは専用のソフトウェアを必要とせず、ブラウザとSNSのアカウントを利用してSNS上でプレイできるゲームですが、実はこのゲームが狙われているのです。

サイバー犯罪者は、「ゲーム内で使用可能なポイントを無料でもらえる」や「お使いのアカウントに重大な問題が起きたため、パスワードの変更が必要です」などとゲーム内のチャット機能やSNSを使って連絡し、ユーザーを偽サイトへ誘導します。誘導されたユーザーは、オンラインゲームの偽のログインページとは思わずにIDとパスワードを使ってログインしてしまったり、個人情報やクレジットカード情報を入力してしまい、結果的にそれらの情報が盗まれてサイバー犯罪の被害に遭ってしまうのです。

また、上記と同じように「拡張ソフトを入れることでゲームキャラを強化できる」などとチャット機能やSNSを使ってマルウェアをインストールさせるのもよくある手口です。お使いのデバイスがマルウェアに感染してしまうとデバイス内の個人情報の漏洩をはじめ、デバイス自体が使用できなくなる可能性があります。この他にも、アカウントが乗っ取られて、ゲーム内で使用できる通貨や保持していたアイテムが盗まれてしまうという事例も起きています。サイバー犯罪者達は、盗んだ通貨を売却して現金に替えるために、ゲーム内で大量の通貨を保持しているアカウントに狙いを定めているのです。

このようにサイバー犯罪者は、特に人気のあるオンラインゲームを利用し、巧みに罠を仕掛けてきます。チャットやSNS内で面識のない相手に本名や住所などの個人情報を教えることは避けましょう。

被害に遭わないためのセキュリティ対策

オンラインゲームは非常に人気が高く、世界中で多くの人が毎日楽しんでいます。しかし、そんなオンラインゲームに熱中するユーザーの隙をサイバー犯罪者たちは常に狙っています。以下では、サイバー犯罪の被害に遭わないための対策をまとめました。

強力なパスワードを設定する

オンラインゲームを楽しむユーザーがサイバー犯罪のターゲットにされやすい理由として、複数のサイトでユーザーIDとパスワードを使い回していることがあげられます。オンラインゲームやSNSなど複数のサイトで同じ、または類似したIDとパスワードを使い回している場合、どれか1つが盗まれてしまうと他のサービスにも被害が及んでしまい、大変なことになりかねません。IDとパスワードは、同じものを使い回しをせず、大小文字と英数字、記号などを複数組み合わせた推測されにくいものを設定するようにしましょう。

オンラインゲーム内での交流は慎重に

ゲーム内の他のユーザーと交流する場合は注意が必要です。たとえ、ゲーム内で共通の敵を倒すために協力している仲間だと思っていても、実はサイバー犯罪者だったなんてことはざらにあります。チャット機能やSNSを通じて接触を試み、個人情報を盗んだり、アカウントの乗っ取りを狙っています。面識のない第三者からメッセージが送られてきた場合は必ず内容を確認することで、多くの被害を未然に防ぐことができるでしょう。

多要素認証の設定

一般的に一要素認証と呼ばれるIDとパスワードだけの認証方法はサイバー犯罪者に推測されやすく危険です。もし、普段プレイしているオンラインゲームが多要素認証、もしくは二要素認証を提供している場合は積極的に使用するようにしましょう。導入することでログインする際のセキュリティ面をより強化することができます。

ソフトウェアを最新の状態を維持する

サイバー犯罪者は、デバイスやソフトウェアの脆弱性を狙ってきます。サイバー攻撃を受けないためにもお使いのデバイスやソフトウェアの最新版が出た場合はすぐにアップデートし、常に最新の状態でいることを心がけましょう。

セキュリティ対策ソフトを導入する

オンラインゲーム中のセキュリティ面を高めるためには、セキュリティ対策ソフトの導入をおすすめします。ゲームに最適なセキュリティ対策ソフトを導入することで、オンラインゲームの際の安全性をより高めるのに加えて、操作機能を向上させることができるでしょう。

まとめ

オンラインゲームは現代において非常に魅力的な余暇の使い方として注目されています。オンライン上で世界中のユーザーと交流をしながらゲームを楽しむことができるのは素晴らしい体験といえます。しかしながら、一方ではそんな楽しんでいるユーザー達をターゲットにしているサイバー犯罪者もいるのも事実です。彼らは、ユーザーの隙をついて個人情報やゲーム内のアイテムや通貨を盗もうと企てています。そんな被害に遭わないためにも、今回紹介したセキュリティ対策を実行することが必要不可欠といえます。サイバー犯罪は日々進化しており、今後も様々な手口でゲームユーザーに攻撃を仕掛けるかもしれません。しかし、常時セキュリティ対策を実行することを心がけてさえいれば被害に遭うことなく、思う存分オンラインゲームを楽しむことができるでしょう。

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